近年の安全意識の高まりで、冬のドライブにはスタッドレスタイヤが必需品となってきました。スタッドレスタイヤは冬専用タイヤのため年二回、冬季前後に夏タイヤと入れ替えます。タイヤのみの交換はタイヤビート部に負担が掛かり工賃も高いため、ホイールとセットで購入するのが一般的です。スタッドレスタイヤ装着の必需品であるホイールですが、輸入車はブランド・モデルによりホイール取付け部が独自規格となっており、装着できるホイールを見つけるのは情報と知識が必要となってきます。今回はフィアットの電気自動車 500e(2022〜年)用ホイールをお探しの方に、「装着可能なホイールの探し方」「スタッドレスタイヤ用に適したホイールの選び方」をご紹介します。(2024年10月現在)
目次
ホイール取付け部の純正サイズを確認
ホイール取付け部の規格について
輸入車のホイール取付け部はブランド・モデルにより規格が異なります。「異なる規格のホイールは装着できない」ので注意が必要です。下記はフィアット 500eの純正規格サイズです。純正ホイールと同規格のホイールを探しましょう。
P.C.D. | ホール数 | ハブ径 |
98 | 4 | 58.1 |
ホイール・タイヤのインチサイズを選ぶ
ホイールのインチサイズについて
交換するホイールのインチサイズは一般的に純正同サイズが推奨されています。純正ホイールのインチサイズは同モデルでもグレードにより異なるため実車を確認しましょう。※インチサイズは、装着タイヤの側面に刻印されています。(例)225/45R17と刻印されている場合、Rの後ろ「17」がインチサイズです。
●インチサイズは変更できる
インチサイズは装着可能サイズ内であれば変更することができます。サイズを変更することで下記の様にクルマの特性が変化します。興味がある方はサイズ変更を検討されてはいかがでしょうか。また小径化は価格を抑えることができるので、「同予算でワンランク上のタイヤ」を選ぶことができます。降雪地域の方に特にオススメです。
大径サイズ(純正比) | 小径サイズ(純正比) | |
価 格 | 高くなる | 安くなる |
スタイリング | 良くなる | 悪くなる |
乗り心地 | 硬くなる | 柔らかくなる |
高速安定性 | 良くなる | 悪くなる |
重 量 | 重くなる | 軽くなる |
大径サイズ→ スタイリング・走行性能は良くなるが乗り心地が硬くなり、価格は高くなる 小径サイズ→ スタイリング・走行性能は悪くなるが、乗り心地が柔らかくなり価格が安くなる |
●フィアット 500eのグレード別、純正サイズ・変更可能サイズ
弊社で確認が取れている各グレードの純正サイズ・変更可能サイズです。※変更可能サイズは弊社ホイールが基準です。他社ホイールは形状により取付けられない場合があります。
グレード | 純正サイズ | 当社製品の 装着可能サイズ |
ポップ アイコン オープン | 16インチ 17インチ | 15〜17インチ |
●ホイールのインチサイズを変更した場合のタイヤサイズについて
タイヤサイズ は「必ず純正タイヤに近い外径のタイヤ」を選びましょう。タイヤの外径を変えてしまうとメーター誤差や走行性能の悪化を引き起こします。インチサイズを変更する場合も下図のようにタイヤの外径はできる限り近いサイズをお選びください。下記に純正と外径が近い参考タイヤサイズをまとめましたので参考にしてください。
インチサイズ | 純正に近い外径のタイヤサイズ |
15インチ | 185/65R15 |
16インチ | 195/55R16 |
17インチ | 205/45R17 |
サイズ以外のスタッドレス用ホイールを選ぶポイント
スタッドレス用ホイールにはインチサイズ・取付部の規格サイズ以外にも、雪道用だからこそ考慮すべきポイントが存在します。使用環境によりオススメは異なりますので参考にしてください。
デザイン
デザインの選び方は様々ですが、スタッドレス用ホイールとして「降雪状況」を軸に考えました。
●降雪地域
降雪地域の方には「シンプルなデザイン」のホイールをオススメします。雪道はクルマが非常に汚れます。複雑なデザインのホイールは洗車機での洗い残しが多く、手洗いが必要となります。ホイールをキレイに保ちたい方には、デザインがシンプルでスポーク数が少ないホイールをオススメします。
●準降雪地域・非降雪地域
降雪頻度の低い地域の方には「純正デザイン」に似たデザインのホイールをオススメします。昨今の純正ホイールは車両デザインの一部として、高いデザイン性を与えられています。車両のトータルデザインを考慮し、純正のイメージに近いホイールをオススメします。
カラー
ホイールカラーはシルバー系・ブラック(ガンメタ)系・ポリッシュ系の3種類に分けられます。各色の特徴です。
シルバー系 | ブラック系 | ポリッシュ系 | |
汚れ | 目立つ | 目立たない | 多少目立つ |
キズ | 目立たない | とても目立つ | 目立つ |
融雪剤 | 強い | 強い | 弱い |
高級感 | あまりない | ある | とてもある |
●降雪地域
雪が降り融雪剤が多く散布される降雪地域には「シルバー系」「ブラック系」をお勧めします。各色汚れが目立つ・キズが目立つと一長一短ありますが、塗面が強く融雪剤の影響を受けにくいのが特徴です。
●準降雪地域・非降雪地域
雪があまり降らず、融雪剤の散布量が少ない地域の方にはクルマのトータルデザインを考慮し、「純正ホイールに準じたカラー」をオススメします。また、ホイールカラーでクルマの印象はずいぶんと変わるので、高級感を出したいから「ポリッシュ系」、スポーティー感を出したいから「ブラック系」など、お好みでお選びになるのもオススメです。
ホイール各部の仕様について
取付け部はブランド毎の規格以外にも、様々な仕様があります。スタッドレスタイヤは季節毎に交換するため、付属部品不要・純正品で取付けることができる仕様のホイールがオススメです。
●取付けボルト(ナット)
新車時、純正ホイールは純正ボルト(一部ブランドはナット)で取り付けられています。市販ホイールは純正ボルトに対応する純正仕様と、付属仕様の二種類が存在します。オススメは「純正ボルト仕様」です。
・純正仕様:ボルトをつけ間違えない、紛失しない
・付属仕様:ボルトをつけ間違え、紛失する可能性がある
●センターキャップ
新車時、純正ホイールの中心には純正のキャップが取り付けられています。市販ホイールは純正キャップが適合する純正対応仕様と、非対応仕様の二種類が存在します。純正キャップを取付けたい方は、純正対応仕様を選びましょう。
・純正対応仕様:純正キャップ・付属キャップが取付けられる
・純正非対応仕様:付属キャップのみ取付けられる
●センターハブ(ハブリング)
純正ホイールの取付け部にはセンターハブと呼ばれる、車両側のハブに径を合わせた穴が空いています。市販ホイールは車種毎に異なるハブ径をリングを使い、複数車種に適合させています。これを「ハブリング仕様」と言います。最近は車種専用設計で純正ホイール同様、ハブリングを必要としない「専用ハブ径仕様」のホイールもリリースされています。オススメは専用ハブ径仕様です。
・専用ハブ径仕様:ハブリング不要
・ハブリング仕様:ハブリングが必要、紛失する可能性がある
ホイールの紹介
当社で取り扱いをしているホイールブランドの中から、おクルマに取り付け可能なホイールを紹介いたします。掲載ホイールは、すべて車検に対応しております。お好みに合わせご検討ください。
スタッドレス用ホイールの選び方「まとめ」
輸入車のスタッドレス用ホイールは、複雑な取付け部のマッチングや冬季用・高い交換頻度などを考慮し、選ぶ必要があります。一見難しいように思えますが、仕様を一つ一つご自身の使用環境に合わせ精査すれば、必ず納得のいくホイールが見つかります。下記に弊社が考えるオススメ仕様をご紹介です。是非参考にしてください。
●降雪地域
見た目は我慢。降雪に備えた実務重視仕様。インチを小径化、ワンランク上のタイヤを推奨。
・デザイン:シンプル・小本数スポーク
・インチサイズ:最小装着可能サイズ
・カラー:シルバー系・ブラック系
・ボルト:純正仕様
・センターキャップ:純正品を付けたければ純正対応仕様
・センターハブ:専用ハブ径仕様
●準降雪地域・非降雪地域
降雪量が少ないため、クルマのトータルデザインを崩さない純正に近い仕様。
・デザイン:純正に近いデザイン
・インチサイズ:純正サイズ
・カラー:純正に近い色(ポリッシュ系・ブラック系)
・ボルト:純正仕様
・センターキャップ:純正品を付けたければ純正対応仕様
・センターハブ:専用ハブ径仕様