雪道を安心してドライブするにはスタッドレスタイヤが欠かせません。スタッドレスタイヤへの交換はホイールとセットでの交換が一般的ですが、輸入車はブランド・モデル毎にホイールの仕様が異なっておりホイール選びに注意が必要です。今回はHyundai IONIQ 5(アイオニック5)オーナーへ向けたスタッドレス用ホイールの選び方をご紹介します。(2024年10月現在)
目次
ホイール取付け部の純正サイズを確認
ホイール取付け部の規格について
輸入車はブランド・モデルにより、ホイール取付け部の規格サイズが異なります。「異なる規格サイズのホイールは装着できない」ため注意が必要です。下記は、ヒョンデ アイオニック5の純正規格サイズです。同規格サイズの中からホイールを選らびましょう。
P.C.D. | ホール数 | ハブ径 |
114.3 | 5 | 67.0 |
ホイール・タイヤのインチサイズを選ぶ
インチサイズについて
インチサイズとは「ホイールの外径」です。ホイール・タイヤを交換する際、インチサイズは純正同サイズが推奨されています。グレードにより純正サイズが異なるモデルもあるので、実車を確認しましょう。
※インチサイズはタイヤの側面に刻印されたタイヤサイズで確認できます。
(例)225/45R17の「17」がインチサイズ
●インチサイズは変更できる
条件が合えばインチサイズは変更することができます。サイズを変更することでクルマのスタイリングや走行性能に変化が生じます。使用環境や好みに合わせ変更してみてはいかがでしょうか。またホイール・タイヤは小さいインチサイズの方が価格が安くなります。
大径サイズ(純正比) | 小径サイズ(純正比) | |
価 格 | 高くなる | 安くなる |
スタイリング | 良くなる | 悪くなる |
乗り心地 | 硬くなる | 柔らかくなる |
高速安定性 | 良くなる | 悪くなる |
重 量 | 重くなる | 軽くなる |
<インチサイズ変更のまとめ> 大径サイズ→ スタイリング・走行性能は良くなるが乗り心地が硬くなり、価格は高くなる 小径サイズ→ スタイリング・走行性能は悪くなるが、乗り心地が柔らかくなり価格が安くなる |
●インチサイズを変更する場合のタイヤサイズについて
タイヤサイズ は「必ず純正タイヤに近い外径のタイヤ」を選びましょう。タイヤの外径を変えてしまうとメーター誤差や走行性能の悪化を引き起こします。インチサイズを変更する際は、下図のようにタイヤの外径が純正と同等となるよう、タイヤサイズで調整してください。
ヒョンデ アイオニック5の「純正サイズ・変更可能サイズ」
弊社で確認が取れている「純正サイズ・変更可能サイズ」と弊社がスタッドレス用に推奨する「同等外径タイヤサイズ」です。※変更可能サイズは弊社ホイールを基準としています。他社ホイールは未確認です。
純正 サイズ | 変更可能 サイズ | 同等外径 タイヤサイズ |
19~20インチ | 18インチ | 235/60R18 |
<弊社オススメの選び方> 安全志向の方→ 最小の「変更可能サイズ」を選び、ランクの高いスタッドレスタイヤを選ぶ スタイリング志向の方→ スタイリングの変化が少ない純正同サイズを選ぶ |
空気圧監視システム「TPMS」とは?
タイヤは定められた空気圧を満たすことで性能を発揮します。しかしタイヤ内の空気は時間と共に少しずつ抜けてゆくため、ドライバーは定期的に空気圧をチェックしなければいけません。「TPMS」とは「Tire Pressure Monitoring System」の略称で、ドライバーに代わり空気圧を監視する、今最も注目の安全支援システムです。
TPMSにはの直接式と間接式の二種類の方式が存在しますが、アイオニック5は、タイヤ交換時にセンサーの交換が必要となる「直接式」です。
●TPMSについて詳しく知りたい方はこちら
別記事にて、 Hyundai アイオニック5に取付けられているTPMSの仕組みや交換時期について、詳しく解説しています。
直接式TPMSの仕組み
直接式TPMSはタイヤ内のバルブ部に取付けられた「空気圧センサー」が空気圧を直接計測し「車両側の受信機」へ送信します。ドライバーはディスプレイで空気圧値を確認することができます。※車種により異なります。
タイヤ空気圧「正常時」
タイヤ内の空気圧が規定内に保たれている正常時は、ディスプレイに空気圧値が表示されます。
タイヤ空気圧「異常時」
タイヤ内の空気圧が規定以下に低下した異常時は、ディスプレイに警告と空気圧値が表示されます。
TPMS(空気圧センサー)の電池寿命と交換時期
直接式TPMSの空気圧センサーの動力は電池です。電池寿命は約8年、電池が樹脂ポッティングされているため電池交換は行わず、センサーごと新品に交換するのが一般的です。空気圧センサーはタイヤ内に取付けられているため、タイヤの脱着工賃や電池切れのトラブルなどを考慮し、タイヤ交換のタイミング(約5年)で空気圧センサーも交換すると良いでしょう。
TPMS装備車のスタッドレスタイヤ購入時の注意
注意①:空気圧センサーの追加購入が必要
スタッドレスタイヤ購入などで、タイヤ・ホイールセットを購入する場合は空気圧センサーの追加購入が必要です。タイヤ内に空気圧センサーが無いと信号が送られず、ディスプレイに警告が表記されてしまいます。必ず車両に適合する空気圧センサーを取り付けましょう。
注意②:ホイールは「TPMS対応ホイール」を選ぶ
TPMSの空気圧センサーはバルブと一体成型となっています。ホイールの中には空気圧センサーが固定できるよう、バルブの取付部の形状をTPMS用に設計された「TPMS対応ホイール」がリリースされているので、そちらを選びましょう。
サイズ以外のスタッドレス用ホイールを選ぶポイント
スタッドレス用ホイールにはインチサイズ・取付部の規格サイズ以外にも、雪道用だからこそ考慮すべきポイントが存在します。使用環境によりオススメは異なりますので参考にしてください。
デザイン
デザインの選び方は様々ですが、スタッドレス用ホイールとして「降雪状況」を軸に考えました。
●降雪地域
降雪地域の方には「シンプルなデザイン」のホイールをオススメします。雪道はクルマが非常に汚れます。複雑なデザインのホイールは洗車機での洗い残しが多く、手洗いが必要となります。ホイールをキレイに保ちたい方には、デザインがシンプルでスポーク数が少ないホイールをオススメします。
●準降雪地域・非降雪地域
降雪頻度の低い地域の方には「純正デザイン」に似たデザインのホイールをオススメします。昨今の純正ホイールは車両デザインの一部として、高いデザイン性を与えられています。車両のトータルデザインを考慮し、純正のイメージに近いホイールをオススメします。
カラー
ホイールカラーはシルバー系・ブラック(ガンメタ)系・ポリッシュ系の3種類に分けられます。各色の特徴です。
シルバー系 | ブラック系 | ポリッシュ系 | |
汚れ | 目立つ | 目立たない | 多少目立つ |
キズ | 目立たない | とても目立つ | 目立つ |
融雪剤 | 強い | 強い | 弱い |
高級感 | あまりない | ある | とてもある |
●降雪地域
雪が降り融雪剤が多く散布される降雪地域には「シルバー系」「ブラック系」をお勧めします。各色汚れが目立つ・キズが目立つと一長一短ありますが、塗面が強く融雪剤の影響を受けにくいのが特徴です。
●準降雪地域・非降雪地域
雪があまり降らず、融雪剤の散布量が少ない地域の方にはクルマのトータルデザインを考慮し、「純正ホイールに準じたカラー」をオススメします。また、ホイールカラーでクルマの印象はずいぶんと変わるので、高級感を出したいから「ポリッシュ系」、スポーティー感を出したいから「ブラック系」など、お好みでお選びになるのもオススメです。
ホイール各部の仕様について
取付け部はブランド毎の規格以外にも、様々な仕様があります。スタッドレスタイヤは季節毎に交換するため、付属部品不要・純正品で取付けることができる仕様のホイールがオススメです。
●取付けボルト(ナット)
新車時、純正ホイールは純正ボルト(一部ブランドはナット)で取り付けられています。市販ホイールは純正ボルトに対応する純正仕様と、付属仕様の二種類が存在します。オススメは「純正ボルト仕様」です。
・純正仕様:ボルトをつけ間違えない、紛失しない
・付属仕様:ボルトをつけ間違え、紛失する可能性がある
●センターキャップ
新車時、純正ホイールの中心には純正のキャップが取り付けられています。市販ホイールは純正キャップが適合する純正対応仕様と、非対応仕様の二種類が存在します。純正キャップを取付けたい方は、純正対応仕様を選びましょう。
・純正対応仕様:純正キャップ・付属キャップが取付けられる
・純正非対応仕様:付属キャップのみ取付けられる
●センターハブ(ハブリング)
純正ホイールの取付け部にはセンターハブと呼ばれる、車両側のハブに径を合わせた穴が空いています。市販ホイールは車種毎に異なるハブ径をリングを使い、複数車種に適合させています。これを「ハブリング仕様」と言います。最近は車種専用設計で純正ホイール同様、ハブリングを必要としない「専用ハブ径仕様」のホイールもリリースされています。オススメは専用ハブ径仕様です。
・専用ハブ径仕様:ハブリング不要
・ハブリング仕様:ハブリングが必要、紛失する可能性がある
ホイールの紹介
当社で取り扱いをしているホイールブランドの中から、おクルマに取り付け可能なホイールを紹介いたします。掲載ホイールは、すべて車検に対応しております。お好みに合わせご検討ください。
スタッドレス用ホイールの選び方「まとめ」
輸入車のスタッドレス用ホイールは、複雑な取付け部のマッチングや冬季用・高い交換頻度などを考慮し、選ぶ必要があります。一見難しいように思えますが、仕様を一つ一つご自身の使用環境に合わせ精査すれば、必ず納得のいくホイールが見つかります。下記に弊社が考えるオススメ仕様をご紹介です。是非参考にしてください。
●降雪地域
見た目は我慢。降雪に備えた実務重視仕様。インチを小径化、ワンランク上のタイヤを推奨。
・デザイン:シンプル・小本数スポーク
・インチサイズ:最小装着可能サイズ
・カラー:シルバー系・ブラック系
・ボルト:純正仕様
・センターキャップ:純正品を付けたければ純正対応仕様
・センターハブ:専用ハブ径仕様
●準降雪地域・非降雪地域
降雪量が少ないため、クルマのトータルデザインを崩さない純正に近い仕様。
・デザイン:純正に近いデザイン
・インチサイズ:純正サイズ
・カラー:純正に近い色(ポリッシュ系・ブラック系)
・ボルト:純正仕様
・センターキャップ:純正品を付けたければ純正対応仕様
・センターハブ:専用ハブ径仕様